まだマンガ雑誌編集者になってあまり間もなかった自分が、高橋監督・金山さんとのコラボなどという企画に参画できたのには、いくつか理由があります。
まず、当時のコミックボンボンではサンライズさんの作品のコミック化を売りとしていたのですが、そのうちのひとつである「機甲界ガリアン」の担当者であったこと。
そして、映画「ザブングル/ダグラム」の講談社全国縦断試写会で高橋監督と広島までご一緒させていただいていたこと。みっつめは自分がアニメ好きだったこと(当時の編集部には、仕事を離れてもアニメ好きな編集者って、意外と少なかったみたいなんです)。
そんなこんなで、若輩担当者は高田馬場の今はなき地下の喫茶店で、両巨匠と打ち合わせをさせていただくことになるのですが、さすがに当時のこととなると、緊張しまくっていた以外、打ち合わせの内容はあまり記憶がありません。
そのかわり、打ち合わせ時間を間違えて、両先生を一時間近くお待たせして冷や汗をかきまくったことや、高田馬場の裏にあるおいしい小料理屋さんを教えていただいたこと(監督、今でも使わせていただいてます)などは、しっかり覚えているのですが。
残念ながら力足りず、半年あまりという短い連載となってしまいましたが、高橋監督のユニークにして自在な発想、金山さんの動きに満ちた描線と魅力に満ちたキャラクターは、その後のマンガ雑誌編集者としての自分にとって大きな財産と・・・って、このマンガの魅力に関しては、復刻された本書を読んでいただければご説明するまでもないことですね。
あれから20年のときが過ぎましたが、もちろん両先生ともまだまだご活躍です。いつの日にか、本作のリベンジをさせていただけることをたのしみにしております。
講談社 テレビマガジン編集部 米田浩二郎(当時・コミックボンボン編集部)